ミツバチ観察会の後、コガタスズメバチの巣を見せてもらいました。この巣は2017年にバックヤードのツツジの中に作られたもので、現在は使われていないそうです。冬になると女王蜂は別の場所で越冬し、巣は放棄されるようです。
出入り口の穴は1カ所のみだそうです。
外側の壁を取り除いていくと、中に層状の巣が入っていました。
全部で5層構造です。
最初は越冬した女王が1匹で巣を作るようです。巣の上の部分から徐々に作っていきます。外壁は最後に作るのかと思ったら、巣が小さな状態で外壁を閉じて出入り口をとっくり状にし、その後は外壁の内側を削りながら、巣を拡張工事するのだそうです。すごい技術力ですね。
巣の中には越冬できなかった蜂たちの死骸がたくさん入っていました。幼虫から蛹になって、羽化した直後に死んだ個体もたくさんありました。
体はほとんど完成したのに、冬の寒さで死んでしまうとは、無念ですね。自然は厳しいですね。
さて、ミツバチと違って、コガタスズメバチの巣の中には蜜がありません。つまり、食料を貯蔵しないようです。働き蜂は外からエサの肉だんごを持ってきて、幼虫たちに食べさせます。働き蜂も肉だんごを食べるのかと思ったら、ウエストのくびれが細すぎて食べられないのだそうです。そこで、幼虫たちが吐き戻した消化済みのエサを食べさせてもらうのだとか。幼虫たちは動く必要がないため、脚がなく、ひたすら食べ続けるようです。何とも不思議な生きものですね。
コガタスズメバチの巣が縞模様なのは、素材の違いなのだとか。黒い部分は樹皮、白い部分は材でできているそうです。働き蜂の中には「樹皮好き」と「材好き」がいて、それらが交互に塗りつけるので、このような縞模様ができるそうです。結果的に、これがカムフラージュ効果にもつながるのでしょうね。
春になって冬眠から目覚めた女王は、1匹で巣を作って卵を産み付け、幼虫の世話をするそうですから、大変な働きものですね。働き蜂が生まれると、産卵作業に集中するのでしょうか。たくさんの卵を生んでも、精子がなくならないというのは驚きです。越冬する前に交尾して、その時の精子がずっと保たれるようです。
ネットで調べたところ、受精卵はメスになって働き蜂になり、未受精卵はオスになって、まったく働かないそうです。幼虫のほとんどはメスで、その中で特別に栄養をもらって大きく育ったものが、次世代の女王候補になるそうです。女王候補のメスは幼虫からエサをたっぷりもらった後、巣を飛び出して外部のオスと交尾し、越冬するそうです。
一方、古い女王は巣の中で寿命で死ぬか、または産卵能力が落ちて、働き蜂たちに巣から追い出されて死んでしまうようです。その頃には、次世代の女王候補がたくさん生まれているということなのでしょうね。
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