実家の両親が蓮の花の写真をLINEで送ってくれました。蓮の花は早朝に咲いて、昼には閉じてしまうそうです。昼を過ぎても咲いている花は、もうその日のうちに散ってしまうのだとか。
花の中心部にある黄色い部分(雄しべや雌しべ)を見て、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の冒頭部分を思い出しました。
そのまん中にある金色の蕊(ずい)からは、何とも云えない好い匂(におい)が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。
同じ文章が物語の最後にも出てきますが、そのときには時間が経過していて「極楽ももう午(ひる)に近くなったのでございましょう」となります。
子供の頃に読んだときには罪人のカンダタのことしか頭に入ってきませんでしたが、この年になってみると、蓮の花が咲いている時間帯のことなども意識させられて面白いです。
(実家の両親が上越市の高田城址公園で撮影)
娥眉山下橋杭
さて、芥川龍之介といったら「杜子春」です。私は声優の大塚明夫さんが朗読する杜子春がとても好きで、よくBGMとして聞いたりしています。(^^;
この中に「峨眉山(がびさん)」という山が出てきます。私はてっきり架空の山かと思っていましたが、中国・四川省の峨眉山市に実在する山で、両親がいる新潟・柏崎とも縁が深いのだそうです。
今から約195年前の文政8年(1825年)に「娥眉山下橋」と書かれた木柱(橋杭)が新潟・柏崎の宮川浜に漂着しました。これが本当に峨眉山麓から流れてきたものなのか詳しくは知りませんが、今も高柳の貞観園に展示されているそうです(参考ページ)。
そうした縁から、柏崎市は中国の峨眉山市と友好都市の協定を結んでいます。今年の1月には、新型コロナ関連で峨眉山市にマスクなどの支援物資を送ったとのこと(賛否両論があったようですが…)
ということで、蓮の花をきっかけに、柏崎の意外な歴史に加え、中国・峨眉山市のことも少し知ることができました。峨眉山市には、良寛和尚の詩を刻んだ「良寛詩碑」があるそうですので、機会があったらぜひ見てみたいです。(^^)
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