2020年2月8日(土)。インド最終日である。7時に起きて味噌汁で朝食。荷造りを済ませて9時過ぎにチェックアウトに向かった。
金額は1.5万ルピーほどで、約束通りだった。小さな端末でクレジットカードを読み込むがエラーが出た。手持ちのカードを3枚試したがいずれもダメ。Uberや買い物では使えたのに、なぜだろう?
ホテルの男が「ATM?」と言うので、彼のスクーターの後席に乗って近くのATMに向かった。手元に4000ルピー残っていたので、1.1万ルピーを下ろそうとしたが、エラーが出た。
ホテルの男が「2万ルピーで試してみろ」と言うので試したが、エラーとなった。「1万だ」と言われて試したら、現金が出た。「1000ルピー」でも問題なく現金が出た。つまり、切りのいい数字しか出ない仕組みのようだった。
現金をホテルの男に渡すと、しばらく数えていたが、「OK」と言ってくれた。これで無事帰れる。
領収書をもらうため、バイクでホテルに戻った。その途中、ホテルの男はバラックの屋台みたいなところで、相手に現金を渡したりしていた。借金でも返済していたのだろうか。よく分からなかったが、この辺の人はみな相当に貧しい暮らしをしているようだった。
デリーへ移動
今日はデリーで最後の仕事を終えたら帰国である。現金は残り220ルピー(約350円)。うまく現金を減らすことができた。Uberに乗るとシートベルトのバックルがない。「バックルないの?」と聞いたら運転手は「ない」と言って笑っていた。こちらも、つい笑ってしまう。
1時間もせずにデリーの会場に着いた。たぶん土曜日だから通勤ラッシュがなくて道が空いていたのだろう。
受付で事前登録の番号を伝えると、「パテルさん」という別人の入場バッジが出てきた。自分の名前と違うと言って、もう一度試してもらった。やはり「パテルさん」が出てきた。もう笑うしかない。
たぶん、そのバッジで入場しても良かったのだろうが、一応別の窓口で相談してみた。すると、きちんと自分の名前のバッジが出てきた。ただし、名前の一部が「4」という誤字になっていたが。
もうこの程度では驚かない。だんだんインドに慣れてきた。
地面で洗濯をする女性
仕事も終わり、空港に向かうことにした。会場の近くでUberを拾うとき、地面で洗濯をしている女性に目がとまった。何歳くらいだろうか。もしかすると、うちの息子とたいして変わらないかもしれない。複雑な気持ちだった。周囲では大人たちが寝ていた。普段から、こんな感じなのだろうか。
インドは貧富の差が激しいと聞く。相続税がないため、一部の富裕層は代々お金持ちだが、貧しい人々は苦しい生活からなかなか抜け出せないという。おそらくカースト制度も部分的に残っているのだろう。
私はたまたま工学部出身で、仕事もそっち関係だが、もし文系の大学に入り直すなら、世界各地の歴史や文化について勉強してみたいとも思う。こういうところでボランティアをする若い学生などもいるのだろう。そういう人たちの気持ちがなんとなく分かった。
出国
空港は大変混雑し、時間がかかると聞くので、早めに向かった。16時くらいに空港に着いた。なんと入り口でeチケットを見せないと入れない。めんどくさい。搭乗手続きも自動機がなく、すべてカウンターで行うようだ。確かに昨日オンラインチェックインをした際に「搭乗券が出せないお客様です」というようなメッセージが出た。
カウンターの列に並んだ。ビジネスクラスの人も並んでいる。エコノミーの方が早いくらいだった。本当にインドはどこでも並ぶんだなと思った。
もちろんX線検査も並んだ。普通はバッグをそのまま通せば良いが、ここではスマホ、カメラ、モバイルバッテリーなど、あらゆる電子機器をバッグから取り出して別にしないとダメらしい。
私の場合は折りたたみ傘も検査に引っかかって「分けろ」と言われた。ただ、検査自体は緩いようで、持ち込んだ水などは没収されなかった。
空港のお土産屋さんはどこも極度のボッタクリ価格で、とても買う気になれなかった。たぶん、ネットでキットカットか何かを買って会社に持って行った方がずっと喜ばれるだろう。
最後に
今回のインド出張では仕事とは別に、インドに関する5つの噂を検証するつもりだった。その結果を最後に記す。- 大気汚染が世界最悪レベル
⇒空気中の微粒子センサー(airmon)で測ったら、確かに汚かった。 - 水質汚染が深刻
⇒テトラの水質検査キットで見る限り、綺麗だった。ただし、アルカリ性が強い。そして飲むことは避けた。 - 食べ物がまずい
⇒まずくはなかった。むしろスパイスが本格的で美味しかった。ただし、ひたすら辛い。 - 交通事故で死にそうになる
⇒確かに油断するとひかれそうになる。ただ、クラクションが鳴るので、たいてい気づく。 - インド人は笑わない
⇒大いに笑った。そして、こちらも笑った。たまたまかもしれないが、いい人が多かったし、かなり助けられた。
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