22時にホテルに到着。事前にWebサイトで見ていた綺麗なエントランスではなく、殺風景な受付である。ホテルの周囲は荒れ地だし、本当にここが目指すホテルなのか疑った。
受付の若い男に、ホテルの予約票を見せると、「このホテルで間違いない」というので、チェックインをお願いした。ところが、「予約が入っていない」という。いや、そんなはずはないと予約票を見せたが、彼らのタブレット画面では見つからないという。
そのうちに「このホテルはインド人専用だからダメだ」と言い出した。実はこれ、少し気になっていた点だった。エクスペディアで予約した際は何も表示されなかったのだが、別のサイトでクチコミを見ていたら「インド人専用」と書いてあり、何かの間違いかな?と思っていたのだ。
◇ ◇ ◇
時刻はすでに22時を過ぎている。今夜泊まるところがなければ、寒い屋外で野良犬と一緒に寝るしかない。なんとか泊めてくれないかと頼んだが、彼らは「予約サイトに確認しろ」の一点張りである。
仕方なく、エクスペディアの窓口に電話した。担当者は怪しい日本語で何やら話していたが、「少しお待ちください」を繰り返す。ずいぶん待たされた。
そのうちにエクスペディアの担当者から当該ホテルチェーンの担当者にバトンタッチされ、たらい回し状態になり、2時間以上も電話口で格闘することになった。その間、ホテルの入口は寒くて凍えそうだった。
その中で何となく分かったのは、Uberのトラブルで到着が22時に遅れたのがそもそもの原因ということ。ホテルは22時でチェックインが終了する。そのため、ホテル側は別の客を入れてしまい、もう部屋が埋まっているとのことだった。
私は「22時ちょうどに着いたのだからセーフだ」と主張したが、ホテルチェーンの担当者は「チェックインの前に電話をしなかったお前が悪い」という。うーむ、確かにそうかもしれない。ぐぬぬ。
さらに交渉しようと頑張ったが、自分の英語力では難しかった。日本語通訳を介してやり取りできた部分もあったが、途中から「日本語通訳を使うなら翌朝電話しろ」と言い出した。今夜寝る場所がないのに、翌朝は無理である。
困り果てていると、ホテル窓口の若い男が救いの手を差し伸べてくれた。「別のホテルに連れて行ってやる」という。そこはここから1~2km先のホテルで確実に泊まれるという。
ただし、そのホテルで1泊3000ルピー×5泊分=1.5万ルピー(2.4万円)の費用がかかるという。手持ちの現金が足りないというと「クレジットカードで大丈夫だ」と言うので、もう大喜びでOKした。
◇ ◇ ◇
しばらく待つと、移転先のホテルの担当者が125ccくらいのバイクで現れた。バイクの後ろに乗せて連れて行ってくれるらしい。私の大きな荷物はその人が持ってくれた。
深夜、インドのデコボコした荒れ地をバイクで移動した。舗装された道路に出ると、バイクは猛スピードで走り出した。車線などほとんど意味がなく、対向車とすれ違う際は実にスリリングだった。
風を切って走っていると、凍えるような寒さで体が震えた。バイクを運転していたホテル担当者はもっと寒かっただろう。現地の人は本当に苦労しているんだなと思った。
ホテルは近くだと聞いていたが、意外と遠くに連れて行かれた。そこも周囲は荒れ地で、ホテルらしい建物などない。それでも小さなホテルに入ることができた。
チェックインでは名前や住所を記入して、パスポートのコピーを取っただけで支払いはなかった。たぶん、チェックアウトする際にまとめて支払うのだろう。少し余計な出費ができてしまったが、荒野で寝るよりはマシである。
部屋に入ると、いろいろと衝撃を受けた。アメニティーグッズの類はほぼ何もない。渡されたのは、ミネラルウオーター1本とトイレットペーパー1本、そして湿ったタオルが数枚である。
風呂が衝撃的だった。蛇口に赤いバケツと手桶がかけてある。これはどうやって使うのかマジで分からなかった。
幸い、WiFiはつながったので(パスワードは0987654321だった!)、ネットで調べてみると、バケツと手桶はインド人が用を足したあとに尻を洗うためのものであり、それで入浴してはならないことを知った。ああ、使わなくてよかった!笑
お湯は温度調整が難しいものの、一度いい温度になれば、それなりに使えた。
心配だった水質だが、熱帯魚の飼育で使う「テトラテスト」の検査結果はアルカリ性を示すKHやpHが非常に高かっただけで、糞尿による汚れを示す硝酸塩(NO3-)や亜硝酸塩(NO2-)の濃度は日本の水道水よりも低かった。
(上の2つが硝酸塩と亜硝酸塩。白いほど綺麗なことを示す)
これなら大丈夫だと、シャワーを浴び、日本から持ってきた石鹸で体を洗った。歯磨きも水道水でした。洗濯もできた。ただ、飲むことだけは避けておいた。
また、ホテルのタオルは湿っていて気持ち悪かったので、日本から持ってきたタオルを洗って再利用した。
空気中の微粒子(PM2.5、PM10)を測定すると、やはり大変汚れていることが分かった。マスクをして寝ることにした。
(airmonで測定。日本では通常PM2.5もPM10も10μg/m3前後である)
ベッドはクッション機構がなく、板の間のように硬かった。部屋は寒く、暖房装置はなかったものの、日本から厚手のパジャマやマフラーを持ってきたので大丈夫だった。
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