足立区生物園の昆虫飼育ボラ、今回は「飼育講座 ~水生昆虫編~」でした(前回参加したボラの様子はこちら)。講師は解説員のこぬまさんです。
以下、メモ書きですが、例によって間違っている可能性がありますので、その時は教えてください。m(__)m
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まずは「水生昆虫」の定義から。卵、幼虫、蛹、成虫のどれか一つでも水中で暮らす昆虫は水生昆虫。つまり「蚊」も水生昆虫!(ボウフラから蚊になるので)
いろんな水生昆虫がいますが、生物園で育てているのは、タガメ、ゲンゴロウ、クロゲンゴロウ、コオイムシ、オオミズスマシ、マツモムシ、ガムシ、タイコウチ、ヘイケボタル、ゲンジボタルなど。ちなみに、ガムシは「牙虫」と書き、お腹の中央部にある針が牙のように見えるからこう呼ぶのだとか。
特に人気なのが、ホタルの仲間。下の写真、左の小さいのがヘイケボタルの幼虫、右の大きいのがゲンジボタルの幼虫。
ヘイケボタルは田んぼなどに棲み、イネのすき間や土などに卵を産む。幼虫はカワニナのほか、タニシや土壌生物なども食べるらしい。大きくなった幼虫は陸に上がって土の中に潜り、蛹→成虫になる。その際、雨で土が濡れていることが重要と言われるが、田んぼの場合、夜露でたいてい濡れているので、雨の後でなくても大丈夫。なお、生物園ではヘイケボタルの幼虫をトレイで飼育している(以前、お世話させてもらった時の様子はこちら)。
↓これがヘイケボタル用の上陸装置。青い発泡スチロールの壁で隔離された中央エリアに幼虫たちを入れると、上陸準備のできた子から順番に発泡スチロール壁を乗り越えて外側のエリアに出る。外側のエリアに出た子は、赤玉土と水苔の入ったプラケースに移し、そこで蛹→成虫に育てる。なお、装置中央の発泡スチロール壁はエアレーションによって常に濡れた状態になっている(うーむ!これ考えた人、すごいな)。ホタルの幼虫は個体によって上陸の時期がバラつくので、このような装置が必要になるそうです。スロープと土で自然環境に近い装置を作ることもできるが、その場合は装置が大きくなりすぎて大変なのだとか。
一方、こちらは昔使っていた採卵装置。交尾を終えた成虫は、水苔に産卵する。その水苔をこの装置に入れておくと、孵化した小さな幼虫が網を通り抜けて下の水の中に落ちる仕組み。
現在はそれを小型化した装置を使っている。網が張ってあり、同じような仕組み。
エサのタニシを割っているところ。
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さて、ここからはタガメなどの飼育方法について。プラケースやカップを使う方式と、
循環装置のついた水槽を使う方式がある。このように水生昆虫の飼育は、魚の飼育に近い(←個人的に好きな領域です)。
エサは、ミルワームやボウフラ、アカムシのほか、
金魚やメダカ、モツゴなどの魚類、
エビ類、オタマジャクシ、カエル類など。特にカエルは栄養面で優れており、タガメに与えると卵をたくさん産んでくれる。
なんと、ゲンゴロウのエサは、タガメの食べ残しである!実際、自然界でもそうなっているとのこと。ムダがない・・・。
実習では、タガメにエサ(モツゴ)を与えてみました。タガメは日本最大の水生昆虫で、止水域では最強の存在なのだそうです。なんと、魚やカエルだけでなく、ヘビやカメまで食べるのだとか!(タガメの過去記事はこちら)
獲物に突き刺した針から消化液を出し、溶けた肉を吸うという恐ろしい食べ方。刺された方は、さぞ痛いだろうな~。
タガメが獲物を捕まえる様子は動画でどうぞ。
ということで、水生昆虫、大変興味深い内容でした。講座を聞いて、自分でもヘイケボタルを育ててみたいなあ~と感じました(あの装置に感激したので)。でも、エサのタニシを確保するのが大変そうだし、今は無理っぽいです・・・。生物園のボラでいろいろと教えてもらいつつ、将来、隠居生活ができる身分になったらやってみようかなと思っております。(^^;
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