今日は足立区生物園のスズムシ飼育教室に行ってきました。
講師はいつもお世話になっている腰塚さんです。
「日本人がスズムシの鳴き声を楽しんでいたのは何年くらい前からでしょうか?」――。こんなクイズが出題されました。
答えは、900年前。平安時代にはすでにスズムシの鳴き声を楽しむ文化があったそうです。ちょっと関係ないかもしれないですけど、「風の谷のナウシカ」の原点とも言われる「蟲愛づる姫君」のお話も平安時代だったような。あれはスズムシではなく、イモムシか何かでしょうか・・・。
また、スズムシの販売(虫売り)が始まったのは300年前の江戸時代。おでん屋の主人が趣味で飼っていたスズムシを売るようになったのが始まりなのだとか。260年前には東京都内で「鳴く虫の名所」が紹介されるようになりました。この辺りでは南千住や綾瀬、飛鳥山などが有名だったそうです。
そして、200年前には火鉢で飼育温度をコントロールし、卵を孵化させるなど、スズムシが成虫になる時期をずらして飼育する手法が登場したそうです。
こうした飼育時期のコントロールは現在でも行われています。というのは、スズムシは普通に飼っていると8月くらいに成虫になってしまうからです。涼しい秋に鳴き声を楽しみたい場合、下記のように卵を冷蔵庫などで保管し、孵化の時期を少し遅らせる必要があるようです。今回の講座でいただいたスズムシも、通常よりも1カ月ほど孵化を遅らせた個体でした。
飼育セットはこんな感じです。湿らせた川砂を敷いています。赤玉土よりも川砂のほうがカビが発生しにくいのでオススメなのだとか。なお、川砂は加熱して消毒したものを使います。
スズムシはオス3匹、メス2匹。飼育セットと合わせて参加費は500円でした。2時間の解説付きですから、かなり良心的な価格だと思います。
スズムシは雑食性ですので、野菜の他にカツオ節などの動物質のエサも入れます。早速、食いついていました。エサはカビやすいため、野菜は毎日、カツオ節は2~3日ごとの交換が必要。ところで、スズムシの飼育というと霧吹きで水をかけるイメージがありますが、あれをやってしまうと、虫に水がついて弱ってしまうそうです。そこで、水差しなどでプラケースの壁に沿って注水し、川砂を適度に湿らせるのがオススメだそうです。
スズムシは翅をこすり合わせて鳴くわけですが、音を聞く耳はどこにあるかというと、なんと前脚の関節付近にあります。下の写真、赤い丸で囲った部分に白いポチッとしたものがありますが、それが耳なのだそうです。
部屋を暗くして静かにし、鳴き始めるのを待ちましたが、この時はなぜか鳴きませんでした。たぶん、エサに夢中だったのでしょう。(^^;
9月23日には、鳴く虫の夜間特別開園があるそうです。
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その後、自宅に持ち帰ったスズムシは元気に鳴いていました。ついでに我が家で飼育しているエンマコオロギの鳴き声も動画の後半に載せています。
うちの家族にスズムシとエンマコオロギ、どっちの鳴き声が好き?と聞いてみましたが、やはりスズムシの方が人気でした。私はどちらも好きですが、スズムシの方が上品な感じがしますね。
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卵の管理について
ところで、スズムシは10月から翌年の6月くらいまで、1年のうち半分以上を卵の状態で過ごすわけですから、卵の管理がとても重要になります。卵は乾燥に強いそうですが、極端にカラカラの状態で1~2カ月放置すると、さすがに死んでしまうそうです。このため、乾燥しやすい冬の間、湿り気をうまくコントロールする必要があります。
卵には2~3カ月ほど冬の寒さを経験させることが重要らしく、玄関や軒下などに放置する必要がありますが、放置すると当然忘れやすくなってしまいます。このため、プラケースをラップで覆うなどして湿度を保ちつつ、1カ月に1回くらいは様子を見て、乾燥していたら給水すると良いそうです。
また、5月くらいになったら、プラケースを目の付く場所に置いておき、卵が孵化していないか、よく観察する必要があります。卵は1週間くらいの間に一気に孵化するため、忘れて放置してしまうと、せっかくの赤ちゃんが死んでしまいます。1匹のメスでも100~200個の卵を産むそうですから、うまく管理すれば、かなり増やせます。実際、何年か前に飼ったときには増えすぎて困りました。(^^; 今回はどうなるやら、今から楽しみです。
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