足立区生物園の昆虫飼育ボラ、今回のテーマは「ホタル」でした(前回の様子)。生物園でホタルの飼育が始まったのは、今から38年前の昭和52年(1977年)。当時はまだ生物園がなく、足立区職員の塚本さんという方が地下水を使ってホタルの飼育をされていたそうです。塚本さんは数年前に退職され、現在は生物園のスタッフさんがホタル飼育を引き継いでいます。ということで、今回は生物園解説員の岡本さんからホタル飼育のいろはを教えてもらいました。
生物園で飼育しているホタルは、主にヘイケボタルとゲンジボタルの2種類(この辺の詳細はこちらの過去記事に載っています)。ヘイケボタルは屋内で管理しており、冬でも鑑賞可能です。「光の祭典」の時にホタル鑑賞会をやっていましたね。一方、ゲンジボタルは屋外で飼育されているそうです。今回は屋内で飼育されているヘイケボタルの幼虫のお世話をしました(成虫は水しか飲まないので、霧吹き+温度管理のみでOKなのだそうです)。
主な作業は、水換えとエサやり。まず、食べ残しをスポイトで取り除き、軽く水を撹拌してゴミを浮遊させてから、水を捨てていきます。下の写真、黒いつぶつぶがヘイケボタルの幼虫です。幼虫が流れ出ないように、ゆっくりと水を捨てますが、捨てた水は1日くらい保管しておき、幼虫が交ざっていないか確認するそうです。
(幼虫たちは、流されないように、容器の壁などに必死にしがみついていました。ホタルの幼虫、意外と根性ありますね)
新しい水を入れ、念のため、もう一度水換えしました。以前は容器まで綺麗に洗っていたそうですが、そこまでしなくても大丈夫とのこと。水も汲み置きの水道水を使っており、水温は部屋の温度で管理しているそうです。ホタルは綺麗な水がないと飼育できないと言われていますが、あんまり神経質になる必要はないようですね。水も1/3を交換するとかではなく、一気に全部変える方法でOKとのこと。
次はエサの準備です。カワニナをハンマーで叩き、殻を割ります。
この子はメスだったようで、貝の赤ちゃんがたくさん出てきました。
小さいつぶつぶが貝の赤ちゃんだそうです。私は初めて見ました。(゚д゚)!
綺麗に殻がむけると、このようになります。私もこの作業をやってみましたが、殻と肉をつなぐ貝柱的な部分を剥がすのが難しく、うまく行きませんでした。(^^;
本来は小さく刻んで与えるそうですが、今回はまるごと投入しました。幼虫はすぐには寄ってきません。夜行性なので、暗くしておくと食べにくるみたいです。
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さて、こちらは水苔に産み付けられた卵から孵化したばかりの赤ちゃん。ほとんどゴミと区別できないレベルです・・・。(^^;
そのような小さな赤ちゃんがたくさん飼育されていました。
この細長いのが、赤ちゃん。これは生まれてから少し成長したものだと思います。
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屋外の飼育場も見せてもらいました。ゲンジボタルの飼育には水流が必要とのこと。水温8℃までは活動できるそうです。
水の中には黒い石(ホタル・ストーン)が入っています。活性炭と同じような働きをするそうです。
ゲンジボタルの幼虫を見つけることは困難とのことでしたが、ボラ参加者の方が見つけてくれました。ちなみに、以前は屋外でのホタル鑑賞が可能だったそうですが、足立区の夏はホタルの成虫にとっては暑すぎるため、現在はしていないそうです。将来は、再び屋外での鑑賞を可能にしたいとのことでした。
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お世話をしたヘイケボタル。暗いところでしばらく置いていたら、エサに食いついてくれました。
ということで、人生初のホタル飼育体験でした。(^^; ホタルって、光るところが注目されがちですけど、こうした幼虫の飼育に、もっと光が当たってもいいのではないかと感じました。(^^)
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